小児矯正

ビムラー矯正とは

ドイツのハンス・ピーター・ビムラー博士によって開発され、1946年に発表されたのがビムラー矯正です。ビムラー(Bimler)とは、博士の名前に由来しています。
岐阜県可児市で開業している伊藤率紀先生は、機能矯正を日本で広める講習会を開催しています。

歯を抜かない機能矯正

ビムラー矯正は、お子さまの成長期を利用して歯を動かす機能矯正です。顎を拡げて、歯が生えるスペースを作るので、歯を抜かずに矯正することができます。

矯正装置を装着すると、脳は窮屈な刺激や違和感を認識し、「大きく育つといいよ」と、神経や筋肉にフィードバックします。そして筋肉を動かし、顎を拡げることで、歯を移動させるのです。口周りの組織がバランス良く発育し、顔の表情も自然になります。

ビムラー矯正によって、歯並びだけでなく、鼻周りの器官や組織の成長も誘導します。矯正装置を入れて口を結ぶように指導をするため、矯正装置を外している時も、「口を結んで生活してね」と、脳が命令を出します。すると普段は口を閉じやすくなり、口呼吸していたお子さまも鼻呼吸ができるようになります。鼻呼吸が習慣化すると、体が温まって免疫力がアップし、風邪をひきにくくなります。

寝る時だけ装着する矯正装置は、取り外しも簡単

矯正装置は夜寝る時だけ装着すればよく、取り外しも簡単です。矯正装置を取り外して食事できるので、歯磨きや衛生管理もしやすいのです。

ビムラー矯正の矯正装置のワイヤーは、弾力性があり、過度の負担が掛かると折れる太さで設計されており安全です。顎関節を傷めにくく、歯の根尖(根の先端)が溶ける「歯根吸収」も起こりにくくなります。

一般的な矯正との違い

歯を抜く必要が生じることもある機械矯正

一般的な機械矯正は、犬歯と大臼歯の間にある小臼歯を抜いて、歯が生えるスペースを作り、歯をワイヤーでガッチリ固定して矯正します。歯を早く移動できるメリットがありますが、痛みやストレスを伴います。

また、歯磨きがしづらいので、虫歯に気をつける必要があります。成長期のピークを過ぎた中学生以上の方には、ワイヤー矯正をおすすめします。

痛みがなく、安全な機能的矯正

ビムラー矯正は、子どもの成長期を利用して歯を移動させる機能矯正です。歯に直接力を入れるわけではありません。むしろ「痛い」と感じる矯正調整は、してはいけないとされています。痛みもなく、安全にお子さまの歯列を矯正することができます。

7歳までの歯列矯正

3歳児からビムラー矯正は可能

食生活が西洋化し、あまり噛まなくても食べられるやわらかい食べ物を食べる機会が増えてきました。食生活の影響もあり、顎が小さい小顔のお子さまが増えています。そのため、普段の食事は和食をおすすめしています。おひたしやキンピラゴボウなど、しっかり噛んで食べる食事が、顎の関節の発達や成長に必要だからです。

顎のスペースに対して、大きい歯が生えてくると、歯並びがガタガタになってしまいます。ビムラー矯正によって顎を拡げれば、歯が生えるスペースができるので、正しい方向に歯が生えやすくなります。

乳歯の歯並びがきれいでも、永久歯も歯並びが良くなるとは限りません。永久歯は、乳歯より大きい歯もあるので、歯が生えるスペースが必要なのです。乳歯の生え方によっては邪魔をして、永久歯が出てこないケースもあります。

デジタルレントゲンで、乳歯が生える前にできている永久歯の歯の状態も、画像で正確に把握可能です。これより歯が生える前の3歳児から、ビムラー矯正を始めることができます。

特に受け口(反対咬合)は上顎の成長が妨げられるので3歳から始めるのがお奨めです。

6歳から成長期を利用して歯列矯正

男児より成長が早い女児は、8~9歳に成長のピークを迎えます。女児は男児より3年早めに矯正を始める必要があります。ビムラー矯正は、5歳くらいから始めるのが理想です。

受け口などの不正咬合は、遺伝的要因が影響する場合もあります。下顎の前歯が見えない過蓋咬合など不正咬合がある場合は、成長と共に不正も成長してしまいます。 頬杖をつく習慣があると、片方の顎がずれて、歯並びにも影響します。

そして、歯並びが悪いと歯磨きしづらく、磨き残しの部分が虫歯になりやすくなります。歯並びが整えば歯も磨きやすくなるので、歯列を矯正することは、虫歯予防にもつながるのです。

また、成長期を利用した方が簡単に歯列矯正できます。ビムラー矯正なら健康な歯を抜かずに済み、痛みもありません。ただし、乳歯が永久歯に生え変わって、しっかり歯が噛み合うまで、矯正治療を続ける必要があります。しかし、成長期を利用したほうがスムーズに歯列矯正を進められてメリットも多いので、お子さまの歯列矯正は早めの受診がおすすめです。

 

詳しくは下記リンクからご確認ください。

舌の位置について

低位舌が身体の歪み、歯並び、病気、嚥下に関与しています

正しい位置に舌を置くと、様々な効果を得ることができます。まず正しい位置に舌を置くと上顎が押さえつけられ、歯並びがよくなる効果があると言われています。ただある程度子供からでないと改善にはかなりの時間がかかります。また正しい位置に舌がないと呼吸が浅くなり、睡眠不足などに陥りやすくなります。正しい位置に舌があると呼吸が深くなり、睡眠も深くなります。

 

舌の正しい位置は、舌の先が上前歯の少し後ろにあり、
舌が口蓋全体に収まっている状態が舌の正しい位置です。

 

低位舌とは舌が上ではなく下にあることを指します。
低位舌だと歯並びが悪くなったり、舌がガタガタになる原因にもなります。

 

正しい舌の位置を習慣づけるためには、新生児から姿勢に気を付けることが必要です。
哺乳させる際に身体を立てて哺乳させることで、舌を機能的に上手に使いこなせるようになる訓練になります。
横に寝かせながら哺乳させると、空気も一緒に飲むので哺乳後ゲップが必要となります。
その姿勢自体が身体を歪ませるる原因の発端ではないでしょうか。
移動時もなるべく立てて身体に密着させての子育てが望ましいそうです。
一筋に立てて育てることで寝かせる時も 姿勢が変わらないため寝付きがよくなります。

詳しくは下記リンクからご確認ください。

院長おすすめグッズ

指しゃぶりの習慣があると、歯並びや鼻呼吸にも影響する場合があります。

スイス製の「MAVALA STOP マヴェラ バイターストップ」は、爪に塗るだけで、お子さまの指しゃぶりや爪を噛むクセを防ぐことができます。

食品や医薬品に使用されている苦味成分なので、身体には害がないので安心です。2歳以上のお子さまへの使用をおすすめします。